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マッチングアプリのプロフィール文を書いた後に、もう一度最初から読み直してほしいことがあります。
最初の1行を読んだときに、自分自身が「続きを読みたい」と思えるかどうかです。
多くのプロフィール文は、情報は揃っていても「続きを読む理由」がありません。趣味、職業、休日の過ごし方。それを並べるだけでは、相手が次のアクションを取る動機にならないのです。
私はテレアポとインサイドセールスの現場で20年働いてきました。電話口で相手が「話を聞いてみよう」と思う瞬間を何千回も目撃してきました。その経験から言うと、プロフィール文がスルーされる理由は、テレアポで電話を切られる理由とまったく同じです。
テレアポで毎日直面していたこと
テレアポには「15秒の壁」があります。
相手が受話器を置くかどうかを判断するのが、最初の15秒です。この間に「続きを聞く理由」が相手の頭の中に生まれなければ、どんなに良い提案も届きません。
「弊社は○○を提供しておりまして、このたびご案内のためにお電話いたしました」という冒頭は、相手にとって「聞く理由」になっていません。自社の紹介と用件の告知、それだけです。相手は「また営業電話か」と判断して電話を切ります。
この状態を変えるために、冒頭の1〜2文をどう設計するかを徹底的に考えた時期がありました。
部下に指導するとき、私はいつも同じことを言っていました。「最初の一文は、相手の頭の中に『聞いてみようかな』という状態を作るためにある。自分の話を始めるためにあるんじゃない」と。
この考え方は、プロフィール文にそのまま当てはまります。
エレベーターピッチという考え方
エレベーターピッチという言葉があります。
エレベーターに一緒に乗った相手が「なんの仕事をしているの?」と聞いてきたとき、エレベーターが目的階に着くまでの30秒で「それ、もっと聞かせて」と思わせる話ができるかどうか、という概念です。
30秒で相手の興味を引けない話は、30分話しても興味を持ってもらえない。営業の世界ではそう言われます。
プロフィール文も同じです。マッチングアプリで相手があなたのプロフィールを流し読みするのは、おそらく5秒から10秒です。その5秒で「この人のこと、もう少し読んでみようかな」と思わせる何かが最初の1行になければ、どれだけ後ろに良いことを書いていても読まれません。
プロフィール文がスルーされる理由
マッチングアプリのプロフィール文でスルーされやすいのには、共通するパターンがあります。
情報が並んでいるだけで、絵が浮かばない
「趣味は映画鑑賞と料理です。週末は友人とのんびり過ごすことが多いです」という文章は、間違っていません。でも、読んだ後に何か残るものがありません。映画を観ている場面も、料理をしている場面も、友人と過ごしている場面も、具体的に浮かんでこないからです。
テレアポで言えば、「弊社は企業向けのサービスを提供しております。主に○○業界のお客様にご利用いただいております」という冒頭と同じです。情報はある、でも相手の頭の中に「続きを聞く理由」が生まれていない。
最初の一文が自己紹介で始まっている
「はじめまして。○○と申します。△△県に住んでいます」という冒頭は、丁寧さを感じますが、相手の気持ちを動かしません。相手はあなたの名前と居住地を知りたくてプロフィールを開いたわけではないからです。
相手が知りたいのは、「この人は自分と話が合うか」「会ってみたいと思えるか」です。その疑問に答えられる情報が最初の1行にあるかどうかが、スルーされるかどうかの分かれ目です。
相手ではなく自分に向いた文章
「仕事頑張っています。プライベートも充実させたいです」という文章は、書いた人の気持ちは伝わりますが、読んでいる相手の関心を引くものがありません。
テレアポで最初に「私はこういう人間で、こういう仕事をしています」と話し始めると、相手はほぼ確実に電話を切ります。相手はあなたの自己紹介を聞きに電話を受けたわけではないからです。
最初の1行に何を置くか
では、読み続けてもらえる最初の1行はどう作るか。テレアポで使ってきた考え方をプロフィール文に当てはめると、3つの要素があります。
① 相手が「自分のことかな」と思える一言
テレアポで最も効果があった冒頭の一つは、「実は、○○について困っているお客様から最近よくご連絡をいただくんです」という切り出し方でした。自社の説明ではなく、相手が経験しているかもしれない状況から始めるのです。
プロフィール文で言えば、「趣味はカフェ巡りです」ではなく、「いいカフェに入ると、そこで2時間は出てこられないタイプです」という一文の方が、同じ感覚を持っている人の目に留まります。「わかる」という感覚が最初に生まれると、続きを読む動機になります。
② 具体的な絵が浮かぶ一言
「料理が好きです」という言葉には絵がありません。「休日の夕方に、一からだし取りをするのが楽しくて、だいたい3時間かけています」という一文には絵があります。
具体性は信頼感を生みます。テレアポでも、「多くのお客様にご利用いただいております」より「先月だけで○○業界の企業様15社から問い合わせがありました」の方が、相手の頭の中に現実感が生まれます。プロフィール文も同じで、具体性のある一文は「この人はリアルに存在している」という感覚を作ります。
③ 「あなたとつながりたい」という意志が見える一言
これがなかなか難しいのですが、テレアポで電話を切られにくい冒頭に共通していたのは、「このお電話をお受けいただいたことで、あなたに何かメリットがあると思っています」という姿勢が伝わっていることでした。押し売りではなく、相手のために情報を持ってきたという姿勢です。
プロフィール文で言えば、「よろしくお願いします」で終わる一文より、「同じような時間の使い方をしている人と、気が向いたときに話せたらいいなと思っています」のように、自分がどういう出会いを求めているかの意志が見える方が、相手に刺さります。
実際に書き換えてみると
いくつかの例を見てみます。
パターン1:趣味を書いている場合
NG:趣味は映画鑑賞と読書です。休日はのんびり過ごすことが多いです。
OK:気になった映画は一人で朝イチの回に観に行くことが多いです。話せる人がいないまま、頭の中だけで2日間ぐらい考えています。
NGは情報の羅列です。OKは行動と感覚が両方ある一文です。「一人で朝イチで行く」という具体性と、「2日間考え続ける」という熱量が、その人の輪郭を作っています。
パターン2:仕事を書いている場合
NG:会社員として働いています。仕事は忙しいですが、充実しています。
OK:平日は夜まで仕事していることが多いですが、帰り道に一人でご飯を食べるのが一番好きな時間です。
NGは「会社員・忙しい・充実している」という情報はありますが、読んだ後に何も残りません。OKは「一人で食べる帰り道のご飯が好き」という、生活の中のリアルな一コマがあります。そこに「孤独を楽しめる人」「丁寧に自分の時間を使っている人」というニュアンスが出てきます。
パターン3:人柄を書いている場合
NG:明るくて社交的な方だと言われます。人と話すのが好きです。
OK:初対面の人と話すのが好きで、友人に「どこでそんなに知り合いがいるの」とよく言われます。でも家では一言もしゃべらない日があります。
NGは「明るい・社交的・人と話すのが好き」という、プロフィール文の定番文言です。何十人も読んでいると埋もれます。OKは「外では話す・家では無口」という対比があって、その人の素の姿が少し見えます。
部下のテレアポを聞いていて気づいたこと
テレアポを指導していたとき、最初の一文を変えるだけで通話時間が大きく変わるケースをたくさん見てきました。
ある部下は、「弊社は○○のサービスを提供しております」という教科書通りの冒頭から変えられずに、毎日ほぼすべての電話で開始30秒以内に切られていました。
そこで「最初の一文は、相手が今どういう状況かを推測して、その状況に刺さる言葉を置く」という考え方に変えてもらいました。具体的には、「最近、○○の件でご担当の方が対応に困っているというケースをよくお聞きするんですが、御社ではいかがでしょうか」という切り出しです。
この変更で、「それはどういうことですか」と聞き返してくれる割合が変わりました。最初の一文が自社の紹介ではなく、相手の状況への問いかけになったことで、相手が電話を切る前に一度立ち止まるようになったのです。
プロフィール文も同じです。「自分はこういう人間です」という自己紹介から始めるより、「自分はこういう感覚を持っている、あなたとそれを話したい」という一文から始めた方が、相手が「続きを読もう」となりやすいです。
プロフィール文全体の構成との関係
最初の1行が「続きを読む理由」を作るものだとすれば、その後の本文は「読んでよかった」と思わせる内容にする必要があります。
プロフィール文全体の構成については、以前の記事でパソナの法則を使った書き方を書きました。最初の1行でドアを開けて、本文で「この人と話したい」と思わせる、という二段構えが有効です。
最初の1行だけが良くても、本文がNG例の羅列では続きません。最初の1行だけが弱くても、本文がどれだけ良くても読まれません。2つのバランスが必要です。
まず最初の1行を直す。それだけで、反応が変わります。
書き終えた後にやること
プロフィール文を書き終えたら、一度最初から読み直して次の3点を確認してほしいと思います。
最初の1行を読んだだけで、続きを読みたいと思えるか
自分がマッチングアプリを使っている別の人になったつもりで、最初の1行だけを読んでみてください。そこに「もう少し読んでみようかな」という動機が生まれるかどうかです。
具体的な場面が1つ以上あるか
プロフィール文の中に「こういう状況で、自分はこうしている」という場面が1つもない場合は、情報の羅列になっている可能性があります。具体的な場面を1つ入れるだけで、一気に読みやすくなります。
「よろしくお願いします」以外の締めができているか
最後の一文が「よろしくお願いします」だけで終わっているプロフィール文は多いですが、そこに「どんな相手と出会いたいか」「どんな時間を過ごしたいか」という一文があると、相手がメッセージを送るかどうかの判断がしやすくなります。
まとめ
テレアポで電話が切られるのも、プロフィール文がスルーされるのも、原因は同じです。「相手が続きを聞く理由・読む理由」が最初の一文にないことです。
最初の1行に必要なのは、①相手が「自分のことかな」と思える感覚、②具体的な絵が浮かぶ言葉、③あなたとつながりたいという意志、の3つです。
これを意識して最初の1行を書き直すだけで、同じ情報量でもプロフィール文の印象が変わります。
完璧な文章を作ろうとするより、最初の1行を「読んでみたい」と思えるものに変える、というところから始めてみてください。
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