元カレ・元カノと比較されても、崩れなくていいです。営業で学んだ「よそはよそ」という感覚。

元カレ・元カノと比較されても、崩れなくていいです。営業で学んだ「よそはよそ」という感覚。 告白・交際・復縁

「前の彼は、もっと連絡がマメだった」「元カノは、こういうところが気が利いた」。付き合っている相手から、こんな比較をされたことはありませんか。

言われた瞬間、多くの人がここで崩れます。ムキになって言い返すか、黙り込んで自信をなくすか。どちらにしても、比較された側が主導権を失う場面です。

実は、営業の現場にもまったく同じ場面があります。お客さんから「前の業者は、もっと安かった」「他社の方が対応が早い」と比較される瞬間です。ここでの振る舞い方に、その営業がどれだけ地力を持っているかがそのまま出ます。今日は、私が20年の営業人生で意識してきたことを、恋愛の場面に置き換えて書きます。

なぜ、比較はなくならないのか

営業をしていれば、比較される場面はまずなくなりません。お客さんは、こちらの提案だけを見て決めているわけではなく、他社の提案・以前使っていたサービス・知人からの評判、いろいろな情報と照らし合わせながら判断しています。比較されるということは、悪いことでも失礼なことでもなく、相手が真剣に検討している証拠です。

恋愛も同じです。今付き合っている相手や、これから付き合おうとしている相手にも、当然それまでの人間関係があります。過去に付き合った人がいて、その人との記憶と、今の自分を照らし合わせながら関係を作っていく。それはごく自然なことで、比較されること自体をゼロにはできません。だとしたら、比較をなくそうとするより、比較された瞬間にどう振る舞うかを、自分の中に持っておく方が現実的です。

私が20年の営業人生で、比較されたときに一貫して意識してきたことは、次の3つです。

  • よそはよそ、うちはうちで、堂々とする
  • 誠実であること。相手(他社・前の業者)の悪口を言わない
  • 外よりも、自分に矢印を向ける

この3つ、実は恋愛にもそのまま使えます。1つずつ書いていきます。

①よそはよそ、うちはうちで、堂々とする

比較されたとき、一番やってはいけないのは、慌てることです。「前の業者はもっと安かった」と言われた瞬間に値引きに走ったり、逆にムキになって「うちの方が絶対にいいです」と力任せに言い返したり。どちらも、比較された側が主導権を失っている状態です。値引きに走れば、自分たちの価値をその場で自分から下げたことになりますし、力任せに言い返せば、余裕のなさが逆に伝わってしまいます。

堂々としているというのは、無視することとは違います。相手の言葉を受け止めた上で、自分たちのやり方・自分たちの価値を、動じずにそのまま差し出すということです。よそはよそ、うちはうちです。他社にできることと、うちにできることは、そもそも土台が違います。同じ土俵で張り合おうとするから、比較のたびに一喜一憂することになります。土俵が違うと分かっていれば、比較されても、それはそれとして受け止めて終わりです。

恋愛でも同じです。「前の彼は連絡がマメだった」と言われたとき、慌てて連絡の頻度を無理に増やす必要はありませんし、「じゃあ前の彼と付き合えばよかったのに」と言い返す必要もありません。よそはよそ、自分は自分です。自分のペース・自分のやり方を、動じずに差し出せばいいだけです。相手に合わせて自分を作り変えようとすればするほど、無理が続かなくなり、結局もっと分かりやすい形で相手をがっかりさせることになります。

Before / After

Before:「前の彼はマメに連絡くれたけど」と言われて、その日から急に連絡の頻度を倍にする。数日で息切れして、逆に連絡が雑になる。

After:「そうなんだ」と受け止めた上で、自分がもともと大事にしていた連絡のペースは変えない。マメさで張り合うのではなく、自分らしい関わり方を続ける。

②誠実であること。相手の悪口を言わない

比較されたときに、もう一つやってはいけないことがあります。比較対象(他社・前の業者)の悪口を言うことです。「あそこは対応が雑ですから」「あの会社は数年前に問題を起こしていて」。一時的にはお客さんの気を引けるかもしれませんが、これをやった瞬間、信頼はむしろ下がります。人の悪口を言う人間を、心から信頼する人はいません。今は褒められている自分も、いずれ同じように誰かの悪口の材料にされるかもしれない、とお客さんは無意識に感じ取ります。

誠実であるというのは、比較対象を下げることではなく、自分たちの良さをそのまま見せることです。他社の悪口を言わなくても、うちの良さは伝わります。むしろ、悪口を言わずに堂々としている姿の方が、お客さんの目にはよほど誠実に映ります。比較対象を落とさなくても勝負できる、という自信の表れでもあります。

恋愛でも、まったく同じことが起きます。「元カレはこうだった」と比較されたときに、元カレの悪口を言う人がいます。「そんな人よく我慢してたね」「その人ちょっとおかしいんじゃない」。これも一時的には溜飲が下がるかもしれませんが、聞いている相手は、あなたが誠実な人間かどうかを、そこで見ています。過去付き合っていた人を下げる人は、いずれ自分のことも同じように下げて話すのではないか、と思われます。悪口は、その場では自分を優位に見せているようで、実際には自分の信用を削っている行為です。

Before / After

Before:「元カノはこうしてくれた」と言われて、「その人、変わった人だったんじゃない」と元カノを下げて返す。

After:「そうなんだ」と受け止めた上で、元カノの話には触れずに、自分が今どうしたいかだけを伝える。相手を下げることでしか自分の価値を保てない人間には見られたくない、という一線を持つ。

③外よりも、自分に矢印を向ける

3つ目が、一番大事だと思っています。比較されたとき、意識をどこに向けるか、という話です。

他社や前の業者にどれだけ意識を向けても、自分たちが変わるわけではありません。それより、比較された事実を材料にして、自分に矢印を向ける方がずっと生産的です。「対応が遅いと言われた。じゃあ自分の返信スピードはどうか」「安いと言われた。じゃあ自分たちが提供している価値を、ちゃんと言葉で説明できているか」。外に矢印を向けている間は、何も変わりません。矢印を自分に向けた瞬間から、初めて改善が始まります。

恋愛でも同じです。「前の彼はマメだった」と言われたとき、前の彼の存在にどれだけ意識を向けても、何も変わりません。それより、「自分は連絡のやり取りで、相手を不安にさせていないか」と、自分の行動を振り返る方が、よほど関係のためになります。外(元カレ・元カノ)ではなく、自分に矢印を向ける。これが3つの中で一番大事な軸だと思っています。

この考え方は、他の記事で書いた「駆け引きをしない」という話とも根っこは同じです。駆け引きは相手をどう動かすかという、意識が外に向いた発想です。比較されたときに元カレ・元カノを気にするのも、意識が外に向いている状態です。うまくいく人は、結局いつも自分に矢印が向いています。

Before / After

Before:「前の彼は毎日連絡くれた」と言われて、「その人と別れたのはなんで?」と過去の相手のことばかり聞き返す。

After:「そうだったんだ」と受け止めた上で、「自分は今、ちゃんと伝えられてるかな」と、自分の連絡の仕方を振り返る。会話の矛先を過去の相手ではなく、自分の行動に向ける。

比較された瞬間の、受け答えの型

3つの意識するべきことは分かっても、実際に言われた瞬間、頭が真っ白になることがあります。とっさに出てくる言葉の型を、いくつか持っておくと落ち着いて対応できます。

  • まず「そうなんだ」「そういう人だったんだね」と、事実として受け止める一言を挟む。否定も肯定もしない、ワンクッションです
  • 比較対象(元カレ・元カノ)の話には深入りしない。「〜へえ」で終わらせて、話を広げない
  • 会話の続きは、必ず「今」と「自分」の話に戻す。「自分は、こうしていきたいと思ってる」という形で、意識を過去から現在に引き戻す

この3ステップは、営業で反論をいただいたときの受け答えとほぼ同じ型です。まず受け止める、比較対象を広げない、自分たちの話に戻す。営業でお客さんの反論を無理に打ち消そうとしないのと同じで、恋愛でも元カレ・元カノの話を無理に打ち消そうとする必要はありません。

自分磨きの方向を間違えない

「自分に矢印を向ける」と聞くと、外見磨きや、相手が褒めていた元カレ・元カノの特徴を真似ることだと思う人がいますが、それは少し違います。マメさを比較されたからといって無理にマメになろうとしたり、外見を比較されたからといって別人のような磨き方をしたりするのは、①で書いた「よそはよそ、うちはうちで堂々とする」から外れてしまいます。

矢印を向ける先は、自分らしさを保ったまま変えられる行動や態度の部分です。連絡の頻度そのものを変えるのではなく、連絡の中身に気持ちを込める。外見そのものを作り変えるのではなく、清潔感や表情のような、無理なく続けられる部分を見直す。以前、話し方の記事でも書きましたが、真似ていいのはやり方の一部だけで、人格ごと真似ようとすると、かえって不自然になります。

比較されるのは、悪いことばかりではない

ここまで、比較された場面でどう振る舞うかを書いてきましたが、最後にもう一つ、視点を変えて書いておきます。比較されるということ自体は、実はネガティブなことばかりではありません。

営業でも、まったく比較すらされない案件があります。それは、そもそも本気で検討されていない案件です。真剣に選ぼうとしているからこそ、他社と比べ、以前のものと比べ、良し悪しを吟味します。比較されるのは、相手があなたとの関係を軽く扱っていない証拠でもあります。

恋愛で元カレ・元カノと比較されたときも、同じように捉え直すことができます。相手は、あなたのことをちゃんと見て、真剣に今の関係を考えているからこそ、過去と照らし合わせています。比較されて落ち込むのではなく、「それだけ本気で見てくれているんだ」と、事実の受け取り方を変えるだけで、同じ出来事が違って見えてきます。ネガティブに見える出来事も、見方を変えればポジティブな材料になる。これは、比較の場面に限らず、ずっと大事にしてきた考え方です。

勘違いしないでほしいこと

ここまでの話を、「何を言われても動じるな、聞き流せ」という意味だと勘違いしないでください。堂々とすることと、相手の言葉を無視することは別です。

比較の中に、実際に自分が直した方がいい点が含まれていることもあります。「前の業者は返信が早かった」という比較の中に、「自分の返信は本当に遅いのかもしれない」という改善のヒントが混ざっていることはよくあります。堂々とするというのは、指摘そのものを聞かないことではなく、指摘を受け止めた上で、必要以上に卑屈にならない、ということです。改善すべき点は改善し、変える必要のない自分らしさまで、比較のせいで手放さない。この線引きが大事です。

また、「自分に矢印を向ける」も、自己否定とは違います。「自分がダメだからこうなった」と自分を責めることと、「自分にできることは何か」と考えることは、似ているようでまったく別のことです。矢印を向けるのは、責めるためではなく、変えられる部分を探すためです。責める方向に矢印を向けてしまうと、改善どころか、次に比較されたときにさらに弱くなってしまいます。

よくある疑問

元カレ・元カノの話を延々とされる場合はどうすればいいですか。

一度や二度の比較は、誰にでもあることとして受け止めればいいです。ただ、何度も繰り返し元カレ・元カノの話を持ち出されるなら、それは比較そのものより、その関係性自体を見直した方がいいサインかもしれません。動じない姿勢と、我慢し続けることは別の話です。

逆に、自分から元カレ・元カノの話をしてしまうことがあります。どう直せばいいですか。

比較する側に回っているときも、考え方は同じです。今の相手を下げているわけではなくても、無意識に前の相手と比べる発言をしていないか、自分に矢印を向けて振り返ってみてください。過去の相手の話は、今の相手にとって気持ちのいいものではありません。

比較されて、悪口を言われた側に立ってしまった場合はどうすればいいですか。

自分が元カレ・元カノとして、今の相手から悪く言われていると知った場合の話です。これも、直接反論して張り合う必要はありません。今の自分の振る舞いが、堂々としていて誠実であれば、それが一番の答えになります。

比較自体をやめてほしいと、はっきり伝えてもいいですか。

もちろんです。「よそはよそ」で受け流すのは自分の心の持ち方の話で、相手に何も言わずに我慢し続けることとは別です。比較が続いてつらいと感じるなら、それはきちんと言葉にして伝えていい話です。

比較されて、自分に自信が持てなくなったときはどうすればいいですか。

自信は、比較に勝つことで得るものではなく、堂々とする・誠実である・自分に矢印を向けるという3つを、実際に積み重ねることで後からついてくるものだと思っています。比較された瞬間に自信満々になろうとしなくても大丈夫です。振る舞い方を積み重ねていけば、自信は後から追いついてきます。

まとめ

比較されたとき、意識するのは3つだけです。よそはよそ、うちはうちで堂々とする。相手の悪口を言わない。そして、外よりも自分に矢印を向ける。営業でもお客様との関係でも、恋愛でも、比較される場面はなくなりません。なくならないなら、比較された瞬間にどう振る舞うかを、自分の中に持っておく方がいいです。

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