第一印象で切るのが、一番もったいないです。営業で「どうせ断られる」に負けていた私の話。

第一印象で切るのが、一番もったいないです。営業で「どうせ断られる」に負けていた私の話。 恋活の進め方

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マッチングアプリで「いいね」を送る前に、相手のプロフィールを見て、こう思ったことはないでしょうか。この人は反応が薄そうだ。写真が地味だから、たぶん合わない。プロフィールが短いから、やる気がなさそうだ。そうやって、指が止まる。私は営業ひとすじ20年、数えきれないくらいのクロージングの現場を見てきました。その中で一番痛い目に遭ったのが、まさにこの「決めつけ」です。今日は、営業で先入観に負け続けていた頃の話から、恋活で一番もったいない切り方について書きます。恋愛コーチの視点ではなく、営業の現場で身についた感覚を、そのまま持ち込んだ話です。

「あー、あー」としか返事をしないおっちゃんの話

営業を始めたばかりの頃、電話の向こうに、こういう人がよくいました。こちらが話しても「あー」「あー」としか返さない、明らかに面倒くさそうなおっちゃんです。こちらの説明に対して、相槌なのか、ため息なのか分からない声だけが返ってくる。当時の私は、この時点で心の中で結論を出していました。この人は、どうせ断る。どうせ断りたいんだろう。早く切り上げよう、と。

もう一つのパターンが、ずっと無言の人です。こちらが何を話しても返事がない。たまに「はい」と一言だけ返ってくる。会話が成り立っている感じがまったくしない。これも、当時の私は「聞いていない」「興味がない」と決めつけて、説明を早々に終わらせていました。

ところが、です。面倒くさそうに「あー、あー」と言っていたおっちゃんが、話の最後に、こう言うのです。「で、手続きしたらええんやろ」「で、なんぼなん」。つまり、乗り気だったのです。それも、かなり。無言だった人も同じで、こちらの話が終わった瞬間に、具体的な質問をいくつも投げてきたことがありました。聞いていなかったのではなく、黙って聞いていただけだったのです。

この経験を何度も繰り返して、ようやく気づきました。私が「どうせ断られる」と決めつけていた相手の中に、実は乗り気の人が、たくさん混ざっていた。決めつけて早々に切り上げていた分だけ、私は自分で成約を捨てていたのです。

「どうせ断られる」は、相手ではなく自分の中にあります

ここが、一番大事なところです。「どうせ断られる」という判断は、相手の態度から読み取ったものではありません。自分の中にある先入観が、相手の態度に勝手な意味をつけていただけです。面倒くさそうな声を「拒否」と読み、無言を「無関心」と読む。でも、それは私の解釈であって、相手の本心ではありませんでした。

営業の世界では、先入観と固定概念が一番の敵です。技術がない人より、先入観に縛られている人の方が、はるかに数字が伸びません。理由は単純で、先入観がある人は、アプローチする前に、自分で相手を切ってしまうからです。切った相手の中にどれだけ見込みがあったかは、永遠に分かりません。分からないまま、「やっぱりダメだった」という記憶だけが積み上がっていきます。そして、その記憶がさらに先入観を強くします。この悪循環から抜け出せない人を、私は営業の現場で何人も見てきました。

逆に、伸びる人は、相手の反応に意味をつけません。面倒くさそうでも、無言でも、とりあえず最後まで話す。相手の本心は、話し切ってみないと分からないと知っているからです。

恋活で一番もったいない切り方は、反応の薄さで切ることです

この話を恋活に置き換えると、一番もったいない切り方が、はっきり見えてきます。反応が薄いという理由で、相手を切ることです。

マッチングアプリには、反応が薄く見える相手がたくさんいます。プロフィールが2行しか書かれていない。写真が1枚だけで、それも地味。マッチングしたのに、最初の返信が「よろしくお願いします」の一言だけ。返信の間隔が長い。こうした相手を見て、「やる気がなさそう」「脈なし」と判断して、いいねを送らない、あるいはメッセージを続けない。これが、営業で私がやっていた「どうせ断られる」と、まったく同じ構造です。

プロフィールが短いのは、やる気がないからとは限りません。文章を書くのが苦手なだけの人が、たくさんいます。写真が地味なのは、盛ることに抵抗がある正直な人であることも珍しくありません。返信が一言なのは、何を書けばいいか分からなくて困っているだけ、ということがよくあります。電話口で「あー、あー」と言っていたおっちゃんが、実は一番乗り気だったのと同じで、表面の反応と本心は、まったく別のものです。

そして、こういう相手は、他の人からも切られています。反応が薄いという理由で、みんなが素通りしていく。だからこそ、最後まで話を聞く人、掘ってみる人が、その相手にとって特別な存在になります。営業でも、面倒くさそうな人にきちんと向き合った営業だけが、その人の契約を取っていました。他の営業は、みんな途中で切り上げていたからです。

質を語る前に、数を打ってください

私が営業の現場で、後輩に一番よく言ってきた言葉があります。質を語る前に、量をやれ。母数をやってから、質を語りなさい。

営業を始めたばかりの人ほど、「効率よくやりたい」「見込みのある相手だけに絞りたい」と言います。気持ちは分かります。でも、その「見込みがある」という判断は、何を根拠にしているのでしょうか。経験がない段階での「見込みがある」「ない」は、ほとんどが先入観です。何百人、何千人と当たった後でしか、本当の見込みの見極めはできません。だから、まず数を打つ。打った数の分だけ、「反応が薄いのに乗り気だった人」の実例が自分の中に貯まっていく。その実例が、先入観を壊してくれます。

恋活も、同じです。「自分に合う人だけに絞りたい」という気持ちは分かります。でも、まだ数を打っていない段階での「合う」「合わない」は、ただの先入観です。どんな人が自分に合うのかは、実際に会って、話して、掘ってみないと分かりません。数を打つ前に質を語り始めると、先入観で切った相手の中にいたはずの出会いを、全部捨てることになります。

「量をやる」というのは、手当たり次第に雑にやることではありません。一人ひとりにきちんと向き合った上で、その向き合う相手の幅を、最初から狭めないという意味です。丁寧さと、幅の広さは両立します。むしろ、幅を広げた人の方が、一人ひとりへの向き合い方が上手くなっていきます。いろんな人と話した分だけ、引き出しが増えるからです。

不器用な人は、いっぱいいます。あなたも、その一人です

ここで、少し立ち止まって考えてみてほしいことがあります。プロフィールが短い、返信が一言、写真が地味。そういう相手を「反応が薄い」と切ろうとしている自分自身は、どうでしょうか。

自分のプロフィールに、自分の魅力を十分に書き切れているでしょうか。最初のメッセージに、熱量を込められているでしょうか。写真に、自分の一番良い表情が出ているでしょうか。多くの人が「そこまでは」と答えます。つまり、あなたも、表面だけ見たら「反応が薄い人」に見えている可能性があるのです。

世の中には、不器用な人がいっぱいいます。文章が苦手な人、写真が苦手な人、初対面で緊張する人、自分の気持ちを言葉にするのが遅い人。そういう人が、表面の反応だけで切られているとしたら、あなた自身が、誰かに同じ理由で切られていても、おかしくありません。だから、相手を表面で切らない。これは、相手のためであると同時に、自分のためでもあります。表面で切らない人が増えれば、不器用な自分も、誰かに掘ってもらえる可能性が上がるからです。

「あなたに興味があります」という姿勢で挑んでください

では、反応が薄い相手に、どう向き合えばいいのか。答えは一つです。「あなたに興味があります」という姿勢で挑む。これだけです。

営業で「あー、あー」のおっちゃんに向き合うとき、私が変えたのは、話す内容ではありません。姿勢です。この人は断るだろう、という前提を捨てて、この人のことをもっと知りたい、という前提に切り替えました。すると、質問の仕方が変わります。「ご興味ありませんか」と確認するのではなく、「普段はどんな風に使われていますか」と、相手のことを聞くようになります。すると、面倒くさそうだった相手が、少しずつ話し始めます。そして、話し始めた相手には、必ず魅力的なところが見えてきます。仕事へのこだわり、家族への思い、意外な趣味。どんな人でも、掘れば必ず何かが出てきます。

恋活でも、まったく同じです。プロフィールが短い相手に、「よろしくお願いします」と返すだけでは、相手も「よろしくお願いします」で終わります。「あなたに興味があります」という姿勢で、相手のことを聞きに行く。写真の背景に写っている場所、プロフィールに一つだけ書かれている趣味、登録している地域。どんなに情報が少なくても、掘る糸口は必ずあります。糸口を一つ見つけて、そこを本気で聞きに行く。すると、一言しか返さなかった相手が、少しずつ話し始めます。そして、話し始めた相手には、必ず魅力的なところが見えてきます。

第一印象でどうこう言う前に、もっと掘ってください。掘る前に判断するのは、営業で言えば、話す前に「この人は買わない」と決めるのと同じです。

具体的に、どう変えるか

反応が薄く見える相手への向き合い方を、Before・Afterで並べます。

プロフィールが2行しかない相手

Before
「情報が少なすぎて、何を話せばいいか分からない」と、いいねを送らずに次へ進む。

After
2行の中から一つだけ拾って、そこを本気で聞く。「カフェ巡りが好きと書かれていましたが、最近行った中で一番良かったお店はどこですか」。情報が少ない相手ほど、一つ拾って聞かれるだけで、話したいことが溢れてきます。

最初の返信が「よろしくお願いします」だけの相手

Before
「やる気がないな」と判断して、こちらも一言で返す。そのまま自然に途切れる。

After
相手は何を書けばいいか分からないだけだと考えて、こちらから具体的な質問を一つ投げる。「プロフィールの写真、どこで撮られたんですか。景色がきれいですね」。答えやすい質問を一つ置くだけで、会話は動き出します。

写真が1枚だけで、地味な相手

Before
「もっと写真を載せている人がいるから」と、比較して切る。

After
写真が1枚しかないのは、盛ることに抵抗がある正直な人かもしれない、と考える。写真で判断せず、プロフィールの文章や、やり取りの中身で相手を知りに行く。営業でも、見た目が地味な会社ほど、中身が堅実だということは珍しくありません。

共通しているのは、相手の反応に意味をつけないことです。薄い反応は「拒否」でも「無関心」でもなく、ただ「まだ掘られていない」という状態にすぎません。

最初から絞っていい条件は、ありません

ここまで読んで、「それでも、最初から絞っていい条件はあるでしょう」と考える人もいます。年齢、年収、住んでいる地域、身長。こういう条件で最初にふるいにかけるのは、効率的に見えます。

私の答えは、はっきりしています。ありません。全アプローチです。

理由は二つあります。一つ目は、条件で絞った瞬間に、その条件の外にいた出会いが、全部消えるからです。年齢で切った相手の中に、一番話が合う人がいたかもしれない。地域で切った相手の中に、会ってみたら一番居心地が良い人がいたかもしれない。切った相手のことは、永遠に分かりません。営業で「どうせ断られる」と決めつけていた相手が、実は一番乗り気だったことが、私には何度もありました。

二つ目は、恋活という活動そのものが、自分の幅を広げる場だからです。せっかくいろんな人と出会える場にいるのに、最初から自分の枠の中だけで探すのは、もったいないです。自分の枠は、自分が思っているより狭いものです。枠の外の人と話してみて初めて、「自分はこういう人と合うのか」と気づくことがあります。その気づきは、枠の中だけで探していたら、一生得られません。

固定概念と先入観は、捨ててください。営業で20年やってきて、これだけは言い切れます。先入観を捨てた人から、数字が伸びていきます。恋活も、同じです。

掘る相手の母数を、増やすという選択肢もあります

ここまで、目の前の一人にどう向き合うかを書いてきました。もう一つ、そもそも掘る対象の母数を増やすという発想もあります。今使っているアプリの会員数がそれほど多くなければ、反応が薄い相手を掘る以前に、出会える人数そのものが限られてしまいます。

ハッピーメール

営業でも、トークを磨く前に、そもそも架電できる件数が少なければ数字は伸びません。母数を確保した上で、一人ひとりを掘る。この順番を意識してみてください。

勘違いしないでほしいこと

ここで一つ、はっきり線を引いておきます。「先入観を捨てて全アプローチ」というのは、危険な相手にも近づけ、という意味ではありません。お金の話を早い段階で持ち出してくる、外部のサイトやアプリに誘導しようとする、会う前に個人情報をしつこく聞いてくる、会ったこともないのに急に距離を詰めてくる。こういう相手を避けるのは、先入観ではなく、安全の判断です。営業でも、明らかにこちらを騙そうとしている相手には、最初から関わりません。

私が書いているのは、あくまで「反応が薄い」「条件が自分の枠と違う」という理由で切るのをやめよう、という話です。相手の反応の薄さと、相手の危険性は、まったく別のものです。前者は掘れば見えてくるもの、後者は掘る前に離れるべきものです。ここを混同しないでください。

幅を広げることが、自分を変えます

営業で先入観を捨てて、全アプローチに切り替えてから、私に起きた一番大きな変化は、数字が伸びたことではありません。人を見る目が変わったことです。面倒くさそうな人の中に熱量を見つけられるようになり、無言の人の中に誠実さを見つけられるようになりました。それまでの私は、自分と似たタイプの人としか、うまく話せませんでした。幅を広げたことで、どんな人とでも、掘れば何かが見えてくると、心から信じられるようになりました。

恋活でも、同じことが起きます。反応が薄い相手を掘ってみる。自分の枠の外の相手と話してみる。その一つひとつが、自分の人を見る目を育てます。そして、人を見る目が育った人は、出会いの数だけでなく、出会いの質まで上がっていきます。数を打った先に、質が生まれる。順番は、逆ではありません。

よくある疑問

Q. 全アプローチだと、時間がいくらあっても足りないのでは。
全員に長文を送れ、という意味ではありません。一人ひとりに、一つだけ本気の質問を置く。それだけで十分です。時間がかかるのは、迷っている時間の方です。「この人はどうかな」と考えている時間を、質問を一つ投げる時間に変えてください。迷う時間が減った分だけ、アプローチできる人数は増えます。

Q. 反応が薄い相手を掘っても、本当に薄いだけだったら、時間の無駄では。
その通りで、掘っても何も出てこない相手はいます。でも、掘る前には、それが分かりません。分からないまま切るのと、掘ってから離れるのとでは、自分の中に残るものが違います。掘ってから離れた相手のことは、納得して次に進めます。切った相手のことは、「もしかしたら」がずっと残ります。無駄になったように見える一回も、あなたの人を見る目を確実に育てています。

Q. 自分の好みは、はっきりしています。それでも絞ってはいけませんか。
好みがあること自体は、まったく問題ありません。ただ、その好みが、実際に会った人の積み重ねから来ているのか、会ったことのない段階での思い込みから来ているのかは、一度確かめてみてください。営業で「この手の人は合わない」と言う人ほど、その相手とまともに話した経験がありません。好みは、数を打った後に、自然と本物になっていきます。

まとめ

営業を始めたばかりの頃、私は「どうせ断られる」と決めつけて、面倒くさそうな人、無言の人を早々に切り上げていました。ところが、その中に、一番乗り気な人が混ざっていました。先入観で切った分だけ、私は自分で成約を捨てていたのです。恋活で一番もったいない切り方は、これとまったく同じです。反応が薄いという理由で切ること。プロフィールが短い、返信が一言、写真が地味。それは「拒否」でも「無関心」でもなく、ただ「まだ掘られていない」だけです。質を語る前に、数を打ってください。不器用な人はいっぱいいて、あなたも、その一人です。「あなたに興味があります」という姿勢で掘れば、どんな人にも、必ず魅力的なところが見えてきます。最初から絞っていい条件は、ありません。全アプローチです。危険な相手を避けるのは安全の判断であって、それとは別の話です。固定概念と先入観を捨てた人から、出会いは広がっていきます。これが、営業20年の私の結論です。

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