婚活は、営業のプロセスに似ています。クロージングの視点で考えてみました。

婚活は、営業のプロセスに似ています。クロージングの視点で考えてみました。 恋活の進め方

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恋活と婚活、同じマッチングアプリを使っていても、実はまったく違うゲームです。恋活は「まずは会ってみる」「合わなければ次」で回っていきますが、婚活はそうはいきません。限られた時間の中で、結婚という結論に向けて進んでいく必要があります。

私は営業一筋20年、約70名の営業組織のマネジメントをしてきました。その経験から言うと、婚活は恋活よりもずっと、営業のプロセスに似ています。今日はその話を、じっくり書いていきます。

婚活は「決める」ことが前提の世界

恋活のマッチングアプリでは、「とりあえず会ってみる」「気が合わなかったら自然消滅」というやり取りが普通です。悪いことではありません。出会いの母数を増やすフェーズでは、それで問題ありません。

ですが婚活は違います。婚活を始めた時点で、多くの人には「いつまでに結婚したい」という時間の制約があります。会う人ひとりひとりに対して、「この人と将来を考えられるか」を、恋活よりも早いペースで判断していく必要があります。これは、営業でいう「見込み客」と「決裁権者」の違いに近いです。恋活は見込み客を広く集める段階、婚活はそこから決裁に向けて絞り込んでいく段階です。

営業の世界で、決裁が長引く商談ほど、最終的に流れてしまう確率が高くなります。婚活も同じで、「なんとなく良い感じ」のまま時間だけが過ぎていく関係は、結婚という結論にたどり着きにくいものです。

婚活のプロセスを、営業の商談に置き換えてみる

営業の商談には、大きく分けて5つの段階があります。①リード獲得②ヒアリング③提案④クロージング⑤フォローアップです。婚活も、この5段階に当てはめて考えると、今自分がどこにいるのかが分かりやすくなります。

①リード獲得=マッチング

マッチングアプリでいいねを送り合う段階です。営業でいえば、名刺交換をして「この人とは話ができそうだ」と思う段階に近いです。この段階で大事なのは、量よりも質を意識することです。誰にでも同じいいねを送るより、プロフィールをきちんと読んで、この人になら会ってみたいと思える相手を選ぶ方が、後の段階がスムーズになります。

②ヒアリング=メッセージのやり取り・初期のデート

ここが、婚活で一番手を抜かれやすい段階です。営業でヒアリングを疎かにする人は、相手が本当に求めていることを掴めないまま、見当違いの提案をしてしまいます。婚活でも同じで、相手がどんな将来を思い描いているのか、何を大事にして生きてきたのかを、じっくり聞かずに、自分の話ばかりしてしまう人がいます。

ヒアリングで意識してほしいのは、「価値観そのもの」より「価値観ができた背景」を聞くことです。「休日は家でゆっくりしたい」という価値観だけを聞くと、それが自分と合うかどうかの判断で終わってしまいます。でも、「なぜそう思うようになったのか」を聞くと、その人がどんな人生を歩んできたのかが見えてきます。そこまで聞けて初めて、本当の意味でその人を理解したことになります。

③提案=自分をどう見せるか、将来をどう語るか

営業の提案は、相手のヒアリング内容を踏まえて、「あなたの課題は、こう解決できます」と伝える段階です。婚活における提案は、「あなたと私なら、こういう将来が作れると思います」を、言葉と行動の両方で伝えることです。

ここで大事なのが、以前の記事で書いた「言い切る熱量」です。「結婚したら、こういう暮らしがしたいと思っています」と具体的に語れる人と、「まあ、なるようになれば」と曖昧にしか語れない人では、相手に伝わる本気度がまったく違います。営業でも、自社の商品について曖昧にしか語れない営業マンから、誰も買いたいとは思いません。婚活でも同じです。自分の将来像を、はっきりと言葉にできるかどうかが問われます。

④クロージング=結婚を意識した会話、決断を促す瞬間

営業のクロージングは、相手に「決めていただく」瞬間です。ここで多くの営業マンが失敗するのは、相手の決断を急かしすぎることと、逆に決断を促すタイミングを逃してしまうことの、両極端です。

婚活でも、まったく同じことが起きます。付き合って間もない段階で結婚を迫りすぎれば、相手は引いてしまいます。かといって、何年も「なんとなく」の関係を続けていては、いつまでも結論が出ません。クロージングで大事なのは、相手の中で気持ちが十分に育った、ちょうど良いタイミングを見極めることです。そのタイミングは、①〜③の段階で、相手をどれだけ丁寧にヒアリングし、どれだけ具体的に将来を語り合えたかで決まります。付け焼き刃のクロージングは、婚活でも営業でも、ほとんどの場合うまくいきません。

⑤フォローアップ=関係を切らさない、迷いが出た時の対応

営業の世界では、一度断られた相手にも、関係を切らずにフォローを続けることで、後から契約につながることがよくあります。婚活でも、相手が迷いを見せた時に、感情的に距離を取ってしまうのではなく、冷静にフォローを続けられる人が、最終的にうまくいく傾向があります。

これは以前の記事で書いた、ネガティブをポジティブに変換する力とも重なります。相手の迷いを「拒絶された」と受け取ってネガティブに沈むのではなく、「まだ気持ちが固まっていないだけ」と捉えて、次にどう動くかを考える。この切り替えができるかどうかで、婚活の結果は大きく変わります。

ヒアリングで、実際に何を聞けばいいのか

「価値観の背景を聞く」と言っても、いきなり突っ込んだ質問をされると、相手は身構えてしまいます。営業のヒアリングでも、最初から核心を突く質問はしません。段階を踏んで、少しずつ深いところに入っていきます。

私が営業の現場で使っていた考え方は、「事実→理由→価値観」の順で質問を重ねることです。婚活に置き換えると、こんな流れになります。

事実を聞く:「休日は何をしていることが多いですか」

理由を聞く:「それって、いつ頃からそうするようになったんですか」

価値観を聞く:「そういう時間があると、どういう気持ちになりますか」

この3段階を1回のデートで全部聞き切る必要はありません。何度か会う中で、少しずつ深いところまで聞いていければ十分です。大事なのは、表面的な「事実」だけで相手を判断して終わらせないことです。

将来像を語るときの、言い切り方

「言い切る熱量」と言われても、具体的にどう話せばいいのか分かりにくいと思うので、実際の言葉の例を出します。

曖昧な言い方:「将来的には、家庭を大事にしたいと思っています」

言い切った言い方:「平日は忙しくても、週末の朝ごはんだけは家族そろって食べたいと思っています」

曖昧な言い方:「仕事と家庭、両方大事にしていきたいです」

言い切った言い方:「子どもが生まれたら、保育園の送り迎えは半分ずつ担当したいと考えています」

どちらも言っている内容の方向性は同じです。違うのは、具体的な場面まで想像して話しているかどうかです。具体的な場面が思い浮かぶ話し方をされると、相手は「この人と暮らす生活」を、自分のこととして想像しやすくなります。これが、言葉に熱量が乗るということです。

クロージングのタイミングを見極める3つのサイン

営業でクロージングのタイミングを計る時、私は3つのサインを見ていました。婚活でも、同じサインが使えます。

①相手から将来の話を振ってくるようになった
こちらから将来の話を切り出すのではなく、相手の方から「そういえば」と将来に関する話題を出してくるようになったら、気持ちが固まりつつあるサインです。

②不安や悩みを共有してくるようになった
楽しい話だけでなく、仕事の愚痴や家族のことなど、あまり人には話さないようなことを打ち明けてくれるようになったら、信頼関係が深まっている証拠です。

③会う頻度や連絡の間隔について、相手から言及してくる
「もっと会いたい」「もう少し連絡を増やしたい」というような言葉が、相手から出てくるようになったら、関係を進めたいという意思の表れです。

この3つのサインが重なってきたら、クロージング、つまり結婚を意識した具体的な会話に進めるタイミングです。逆に、これらのサインがまったく見えないうちに結婚の話を切り出すと、営業でいう「早すぎるクロージング」になり、相手を退かせてしまう可能性が高くなります。

婚活で決断を先延ばしにする人への向き合い方

営業をやっていると、「いいとは思うんですけど、もう少し検討させてください」と言い続ける顧客に必ず出会います。これ自体は悪いことではありません。大きな決断をするのですから、慎重になるのは当然です。問題は、検討している「フリ」をしているだけで、実際には何も検討が進んでいないケースです。

婚活でも同じことが起きます。「まだ気持ちの整理がつかない」と言われた時、それが本当に前向きな検討中なのか、それとも決断を避けているだけなのかを、見極める必要があります。私が営業で使っていた見極め方は、「次に何を確認すれば、決断できますか」と、具体的に聞いてみることです。ここで具体的な答えが返ってくれば、本当に検討中です。曖昧な答えしか返ってこなければ、それは決断を避けているサインです。

婚活でも、「次にどうなれば、結婚を考えられそうですか」と、率直に聞いてみることをお勧めします。聞くこと自体を怖がる必要はありません。曖昧なまま時間だけが過ぎていく方が、お互いにとって損失が大きいです。

婚活が長引く人に共通していること

営業の成績が伸びない人には、いくつか共通するパターンがあります。ヒアリングが浅い、提案が抽象的、クロージングのタイミングを逃す、断られた後に立ち直れない。婚活が長引いている人にも、同じパターンが当てはまることが多いです。

特に多いのが、①のリード獲得(マッチング)にばかり時間をかけて、②のヒアリングが浅いまま次から次へと相手を変えていくパターンです。営業でいえば、新規開拓ばかりして、既存の見込み客をきちんと育てていない状態です。婚活でも、新しい出会いを求め続けるより、今目の前にいる相手を、どれだけ深く理解しようとしているかの方が、結果に直結します。

婚活にも、振り返りが必要です

営業の世界では、月末に必ず数字を振り返ります。何件アプローチして、何件商談になり、何件成約したのか。感覚だけで「今月は頑張った」で終わらせず、数字で振り返ることで、次にどこを改善すべきかが見えてきます。

婚活でも、この振り返りをしている人としていない人で、進み方がまったく違います。何人とマッチングして、何人と実際に会って、何人と2回目、3回目に進んだのか。感覚だけで「なんかうまくいかないな」と思っているより、数字として振り返った方が、自分の課題がはっきりします。

例えば、マッチングはたくさんするのに1回目のデートにつながらないなら、①のリード獲得とプロフィールの見直しが必要です。1回目は盛り上がるのに2回目に続かないなら、②のヒアリングが浅い可能性があります。何度か会っているのに関係が進まないなら、③の将来像の伝え方、つまり言い切る熱量が足りていないのかもしれません。どの段階でつまずいているかが分かれば、次に何を直せばいいかも自然と見えてきます。

一人で抱え込まないこと

営業には、上司やロールプレイの相手が必ずいます。自分では気づけない癖や、無意識に使ってしまっている良くない言い回しは、他人に指摘してもらって初めて気づくことが多いです。優秀な営業ほど、一人で完結させず、第三者からのフィードバックを積極的に求めます。

婚活も同じです。自分のプロフィール文や、送っているメッセージ、デートでの会話の内容を、信頼できる友人に見てもらう、感想を聞いてみる。それだけで、自分では気づけなかった改善点が見えてくることがあります。婚活は一人で戦っているように感じやすいですが、営業と同じで、周りの力を借りた方が、結果的に早く前に進めます。

恋活のつもりが、婚活に変わる瞬間

最初は「気軽に会ってみよう」という恋活のつもりで始まった関係が、途中から結婚を意識する関係に変わっていくことは、よくあります。ここで難しいのは、自分の中でその切り替えが起きたタイミングを、はっきり自覚できていない人が多いことです。

営業でも、最初は情報収集のつもりで話を聞いていた相手が、途中から本気の商談相手に変わることがあります。この時、対応の仕方を切り替えないまま、最初のノリのまま話を進めてしまうと、相手からは「本気で考えてくれていない」と受け取られてしまいます。

婚活でも同じです。関係が深まってきたと感じたら、意識的に「ここから先は、恋活の延長ではなく、将来を考える段階に入った」と、自分の中で切り替えることが大事です。そのうえで、これまで書いてきたヒアリング・提案・クロージングの流れを、あらためて意識してみてください。関係の始まり方がどうであれ、途中からでも、この流れを意識するだけで進み方が変わってきます。

プロセスで考えると、感情に振り回されにくくなる

婚活は、うまくいかない時期が続くと、どうしても感情が先に立ってしまいます。「自分には向いていないのかもしれない」「もう誰とも縁がないのかもしれない」。そう感じてしまう気持ちは、私もよく分かります。

そんな時こそ、感情だけで判断せず、①リード獲得②ヒアリング③提案④クロージング⑤フォローアップという、プロセスに立ち返ってみてください。営業の世界でも、成績が振るわない時期に必要なのは、根性論ではなく、どの工程でつまずいているかを冷静に見極めることです。婚活も同じで、感情ではなくプロセスで振り返ることが、遠回りに見えて一番の近道になります。

「決める」ことを前提に選ぶなら

この記事で書いてきた「決める」という前提に、最初から向き合っているマッチングサービスもあります。恋活・婚活だけでなく、再婚活やシングルの方向けの優遇制度まで用意されている、いいね!から始まるマッチングサービスです。プロセスを意識しながら動ける環境を選ぶことも、遠回りに見えて近道になります。

marrish

まとめ

婚活を営業のプロセスに置き換えて考えると、感情論だけでは見えてこなかった、自分の立ち位置が見えてきます。今、自分がヒアリングの段階にいるのか、提案の段階にいるのか、クロージングのタイミングを見極めるべき段階にいるのか。それを意識するだけで、次に何をすべきかがはっきりします。

言い切る熱量と、ネガティブをポジティブに変換する力。この2つは、婚活という「決める」ことが前提の世界でこそ、一番効いてきます。

恋活における向き合い方はこちらの記事で書いています。

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